園主の気ままなブログ~9代目って

園主です。たまには自分自身の事を熟々と書いてみましょうか。

代々の農家に生まれて9代目になりますが、地元では十数代続いている農家さんもあるので、中堅クラスという感じでしょうか。

一代を30年として240年前から続いている事になり、江戸時代から続いている事になりますね。

近所にある菩提寺に保存してあった過去帳にあったのですが、江戸中期から始まったようなのですが、過去に菩提寺が火事になった事があり、その際古い過去帳は焼失してしまったと聞き及んでいるので正確にはわからなくなっているようです。

ただし、子どもの頃から農家の長男として生まれたのだから、将来は農家を継ぐことが既定路線になっていました。

高校までは普通科に通っていましたが、大学進学を控えて将来を見据えた際に、このことは僕の頭から離れることはありませんでした。

そうは言っても、将来を考えたのは高3の部活を引退して夏休みを過ぎてからいわゆる受験勉強なるものを始めた次第です。

ご多分に漏れず晴れて一浪の身分となった僕は、農学部一択にして勉強を始めたものの、試験科目を英語、国語、化学という変則科目を選択したので、予備校にそれをケアするクラスがなく、英語と国語の単科クラスを受講し、その他は宅浪という選択をしました。

晴れて東京農大に合格したの地、専門科目はしっかりと履修させていただきましたよ。この頃植物生理学や土壌学を学んだお陰で今に役立っております。

卒業してそのまま家で就農したのですが、元々は電気関係も好きだったのでそのような方面か、研究者になってみたいという密かな希望もあったので、正直仕事が面白くありませんでしたね。

まぁ決まった休みもなかったので、それも面白くなかったのでしょうが、今も決まった休みが無いというのは全く違いはないのですが、今と当時とでは考え方がまるで変わっています。

当時は仕事に対し面白みも感じていなかったので、ぞんざいな仕事もしていたのでしょう、その頃リクルートのTVCMで、職業選択の自由あはは~ンというフレーズが流行っていたのですが、オイラらにゃ関係ないあはは~ンと連呼していましたね。

あるとき土壌消毒作業のため機械を操作していたものの、誤って薬液を作業着の上から自分自身にかけてしまいました。

その時は何でもなかったのですが、夜になるとその部分が炎症を起こし翌日になって医者を受診したところ薬液による炎症ということでした。

このことをきっかけに、このまま続けていたら将来にわたって自分自身にリスクがかかるという思いに駆られました。さらには、結婚して自分自身の子どもにもリスクが及ぶのではないかと考えたモノです。

大学で勉強した中で、有機物を入れる事の大切さというのは、呪文のように自分の頭に入っていていたので、炎症を起こしてからどの様にしたら自分にリスクの少ない方法をとることが出来るかと考えるようになりました。

おそらくその頃を境に段々と自分事として仕事を考えられるようになった気がするとともに、農家の9代目としての自覚も出てきたのではないかなと思います。

ただし、地域では人格者として尊敬されている8代目の父にはまだまだ及びませんが、慣行栽培から有機栽培へ転換したのを辛抱強く見守ってくれた父に感謝しつつ、9代目として父が行ってきた事を基に昇華させることが出来れば望外であります。

そして、10代目になるであろう息子達には、自分がしていることを否定しないでもらえれば良いのかなと思うし、彼らには彼らの将来があるので、自分の選択をしてもらえれば良いと思っていますが、その選択肢の1つとして選んでもらえるように頑張ろうとも思いますね。

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