この家に嫁いで、自分の居場所がほしくて漬物を作り始めた。20年前のメモ書きが出てきた。
子供を産んで、嫁から母になり少し居場所は出来たが、私はなかなか農家の嫁という立ち位置になじめずにいた。(未熟者でしたので(^^;)
毎年、冬になると漬物を作るようになった。はじめは、白菜漬け、キムチ、そして舅に教わって沢庵を作り始めた。
ちょうどその頃、私の憧れの人佐藤初女さんの講演会に伺うご縁を得た。ガイヤシンフォニーという映画の中で漬物の声を聞くというエピソードに
心引かれた。初女さんは、漬物たちが「重しをどけて、もう少し軽くして!」という声が聞こえるというのだ・・・そして初女さんは人の心を開いていく
おにぎりとお茶と漬物を出して、人々の心にできた氷を溶かしていくような方だった。
数年後、ご縁があって、友人と二人で地元にお呼びするチャンスを得た。
当時私は、幼稚園のPTAで多忙になり、もう一人の友人の努力のおかげで、無事講演会を成功させることが出来た。
私は、とりあえず司会進行を務めさせていただいた。
初女さんを帰りに空港までお送りした際、ほんの一瞬初女さんと二人だけになった。
初女さんが私の手を取って、「私とあなたの違いはほんの少しなんですよ」
そうおっしゃられたとき、私はただただ泣きながら首を振ることが精一杯だった。
あれから12年の歳月が流れた。
初女さんは数年前、天に帰って行かれた。
今漬物をつけながら、まだまだ声は聞こえないけど、なんとなくあれーーこれじゃ重すぎでしょとかほんの少しだけわかるようになってきた。
あの講演会の時、初女さんが座られた座布団は今私のお尻の下にある。
まだまだ足下にも及ばないが、愛するということ、生きるということがやっと私にも分かり始めたように思う。
今日は、白菜を26キロ漬けた。明日漬け返せるかな~
YouTubu配信で白菜の漬物の作り方を流そうと思っています(^^)V
YouTubu登録者数が315人を超えた!観てくださっている方々に心から感謝
今月末の面白い出来事に向かって、明日もわくわく楽しい時間を過ごしていこう(^^)V
初女さん、ありがとうございます。一瞬一瞬を丁寧に生きていける自分に近づいています。
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